ちゃれんじ園 オフ  ~グルメ屋敷の恐るべき謎~ 第9章

さて、このシリーズも第9章まで来た。
だが、本来毎週土曜日にうpして来たが、今回は前章のうpから未だ2日しか経っていない今日うpする。
其れは、前回にも伝えたが、今週土曜日は所用でうp出来ないからである。そのことから、今日うpすることとした。
其処を了承の上、今回の話を始めることとする。

               前回の粗筋
しか子の叔母であるカズミと言う人物から誕生日パーティーの招待状を貰ったしまじろうの担任のしか子。一行は、ちゃれんじ島から遥々、パーティーが行われる京都までやって来た。其処には、フランスに引っ越したらむりんや、ドカペ三兄弟の姿もあった。久々の再会に喜ぶしまじろう達。だが、パーティーの最中、カズミが何者かによって浚われてしまう。後を追おうとしていると、マサシ(モグラ三兄弟)のサンカクとシカクと遭遇した。しまじろう達は、犯人側のマルオとシカクをサンカクの誘導の元、追うのであった。そして、さくらとはなの訪問先の家でしまたろうが見た物とは?

其れでは、第9章を始めよう。

           第9章 監禁場所への道標
舞鶴若狭道を出てから数分後、サンカクが口を開いた。
「えっと、この次の信号を右にお願いします。」
と、国道27号から脇道に入るよう誘導した。
「分かったわ!」
と、しか子は右折車線に入り、ウィンカーを操作した。運よく、信号は青で、夜ということもあってか対向車も無く、あっさりと右折できた。其の道に入ると、何やら山中に続く道のようだった。そして、セレナは山中への道を進んでいくのであった。
更に数分後・・・、
「あそこの駐車場に入って下さい。」
サンカクは道路の左脇にある駐車場に入るように誘導した。しか子は怒りに満ちた表情で、セレナを駐車場に入れた。すると、
「あ!あの黒い車!!」
しまじろうは、会場から逃げるように走って行った例のジェッタを指しながら言った。
「そうよね。間違いないわ!!」
みみりんが続ける。
「あの中に、若しかして叔母さんと、犯人が・・・!う~ん、怪しい・・・。」
らむりんは確信した。そして、しか子は適当な場所にセレナを駐車させた。駐車させると、しまじろう達は勢いよくスライドドアから飛び出し、ジェッタに向かって走った。

「全く・・・民放TV局が2つしかないと寂しいもんじゃの~・・・。」
ジェッタの運転席では、ナビについているワンセグを視ながら、運転席の人物は不満を漏らしていた。
ワンセグには、FBC福井放送の番組が映っていた。と、其の時である。
「おい!しか子先生の叔母さんを返せ!!」
外から怒号がした、其の人物は運転席のドアを開けた。
「おや?君は・・・、しまじろうじゃないか・・・。」
しまじろうは出てきた人物に注目した。しまじろうは、怒りを一旦和らげ、驚いたような表情を浮かべた。
「あ、貴方は、メエメエ博士じゃないですか・・・。」
運転席から出てきたのは、白髭が特徴で、自称発明家のメエメエだった。
「いやあ、しまじろう・・・。それにとりっぴい達も久しぶりじゃの~・・・。」
メエメエは全く状況を理解していないのか、しまじろう達にいつも接していた表情のまま懐かしむように語った。するとしまじろうが再び怒り出した。
「久しぶりじゃないですよ!!其れより、しか子先生の叔母さんは・・・、カズミ叔母さんを何処にやったんですか?!!」
「そうですよ!とりっぴい、まさかメエメエ博士が犯人だったなんて吃驚ですよ!さあ、早く返せ!!」
とりっぴいがそう言うと、メエメエに詰め寄った。
「あ・・・、いや、とんでもない・・・。わしはあの夫人をここまで連れてきただけであって、パーティー会場で、夫人を浚う真似などしておらんぞい!」
「嘘は止めて下さい!メエメエ博士!」
と、らむりんは怒りを爆発させた。
しまじろう達はメエメエに詰め寄っていたが、初めて出会ったにゃっきい、きりんた、そしてしか子は如何すればいいのか分からなかった。だが、しか子も既に怒りに満ちた顔をしていた。すると、しか子が動き出した。
「貴方さっき、「叔母さんをここまで連れてきただけ」と言っていましたよね?という事は、別の人物が叔母さんを浚って言ったということになるんですが、其の人物は何処なんですか?」
しか子がメエメエに怒ると、メエメエは言った。
「分かりました。わしがやったことを話しましょう。わしは、あの人達の誘いに乗っただけなんです。数日前、“あの人物達”から「久々に会わないか?」と連絡を貰いました。そして、会うなり“あの人物達”から、あの夫人を浚う計画をされたのであります。わしは、当初はそんな犯罪紛いな行いに反対しました。しかし、「夫人は我々が浚うから、貴方は浚った後、夫人を監禁する場所まで、連れて行くだけでいい」と言われました。ですが、“あの人物達”は誘いに乗らないのが許せなかった様子で、わしは、嫌々其の誘いに乗りました。そして、あの会場に“あの人物達”と共に来たのであります。わしは、特に何もしていない間にも“あの人物達”は、浚う準備を着々として行ったのであります。そして、会場を爆発させた“あの人物達”は、すぐさま夫人を浚ってきました。夫人は眠らされている上に、体中をロープでグルグル巻きにされ、口にはガムテープがつけてありました。其の姿を見ると、「トランクに放り込め!」と、命じました。そして、ここまで来たのであります。その後、トランクから夫人を連れて、あの山中に続く道へと消えて言ったのであります。」
あの人物達を何回も連呼していたメエメエは山中に続く道に右手を差した。
一同はメエメエの自供を黙って聞いていた。すると、しまじろうが口を開いた。
「メエメエ博士、其の人物は若しかして、車の運転が出来ないのですか?博士は「連れて行って欲しい」と言われただけと言っていましたので、若しかすると其の人物は、車の免許を持っていないということになるのですが・・・。」
メエメエは答えた。
「そうだよ。其れに、“あの人物達”は、しまじろう達もよく知っている人物だよ。」
「誰なんですか?」
今度はみみりんが尋ねた。
「青い・・・。おっと!」
メエメエはそう言うと、口の前に手を当てた。しかし、しまじろう達は直ぐに誰なのか分かった。
「僕は分かったよ!皆は如何?」
と、とりっぴい達を見渡した。一斉に頷く。しかし、にゃっきいは、
「私は分からないわ・・・。」
と、首を傾げていた。するとしまじろうは、
「そうかもね。にゃっきいは未だそいつのことをあんまり知らないからね・・・。」
そう言うとにゃっきいは不満を募らせ、
「其れってどういうことよ!何で私だけ・・・あ、そっか、若しかして其の人物はらむりんがちゃれんじ島に居た時に知り合いだったってことだから・・・。」
にゃっきいは納得した表情を浮かべていた。
其の時である。携帯の着信音が聞こえた。
「あ、先生のかも・・・。」
しか子が言うと、右のポケットからスマホを取り出した。そして、通話を始めた。
「はい、しかのですが・・・。あ、はいはい・・・、あ、居ますよ!今変わりましょうか?・・・分かりました。少々お待ち下さい。」
しか子は一旦スマホを顔の横から離した。そして、
「しまじろう君。お父さんからよ!」
と、しまじろうにスマホを差し出した。
「え?」
しまじろうは不思議そうな顔を浮かべ、しか子からスマホを受け取った。そして、通話を始めた。
「もしもし、しまじろうです!」
『あ、しまじろう!お父さんだけど・・・御免ね!!こんなに遅くに!どう?パーティーは楽しんでいるかな?』
しまたろうが、電話の向こうで言うと、
「う、うん!結構楽しんでいるよ・・・!」
と、わざと楽しんでいる感じを何も知らないしまたろうに伝えた。そして、
『其れはよかった!其れでだな、しまじろう・・・お父さんからとっても大切な話があるんだ!いいか?よく聞いてくれよ!』
と、電話口の向こうで、言いかけている途中から真面目な感じを伝えた。
「分かった。其れで何?お父さん・・・。」
しまじろうが言うと、
『其れは、お母さんとはなちゃんのことなんだ。今日、近所のしまじろうも良く知っている人から食事の誘いがあって、出掛けたんだよ・・・。』
そう言うと、しまたろうは今日あった出来事をしまじろうに話し始めた。そして、
『・・・お父さんが、其の家にお邪魔した時のことなんだ。其の家は誰も居ない様子だったんだよ。其れで、家の中に入ったら、部屋の中でお母さんとはなちゃんが、よく分からない男の人と倒れていたんだよ・・・。』
しまたろうが伝えた時だった。しまじろうは、驚いた表情を浮かべた。
「え!?何だって!!?」
しまたろうは続けた。
『お母さんとはなちゃんと一緒に居た男の人は、特に命に別状はなかったみたいで、お父さんの呼びかけには反応したよ。でも、命にかかわるかも知れないから、直ぐに救急車を呼んで、お父さんも一緒に病院へ行ったよ。』
「そんな・・・、お母さんとはなちゃんが・・・。」
そう言うと、しまじろうは困り顔になった。
『其れで、今お父さんは、お母さんとはなちゃんが運ばれた病院の玄関で電話しているんだが、未だ詳しい結果は分からないみたい・・・。でも、お母さんとはなちゃんのことは大切だったからしまじろうに伝えないと行けないと思ったんだ。だから、しまじろうが帰ってくる日は、お父さん、空港まで迎えに行くから、特に何事も無ければ病院へ其のまま行こう!』
「分かった。お父さん・・・。有り難う・・・。」
既にしまじろうの瞳は潤んでいた。
『じゃあ、飛行機が着く時間とかしか子先生に聞きたいから、又変わってくれないかな?』
と、しまたろうは取り次ぎを要求した。
「分かった。じゃあ、しか子先生に変わるね。」
そう言うと、しまじろうはスマホを離し、しか子に、
「あの、お父さんが未だ話があるようです。」
と、スマホを返した。そして、しか子は
「あ、もしもし・・・。」
と、しまたろうとの通話を再び始めた。
しかしスマホを返したしまじろうは、その瞬間から落胆した表情になり、既に目から涙が滲み出ていた。
「どうしたの?しまじろう・・・?」
尋ねたのはみみりんだった。しかし、
「・・・何でもない・・・。」
と、後ろ姿を見せたまま俯きながら答えた。
「ねえ、如何したのか話してよ!友達じゃん!」
とりっぴいが問い詰めた。すると、しまじろうは泣き顔のまま振り返った。
「どうしたのよ?しまじろう・・・!」
にゃっきいがしまじろうの頬に伝った涙を見ながら聞いた。
「隠してないで話したら?そしたら楽になるよ・・・。」
らむりんが言うと、しまじろうが口を開いた。
「実は・・・」
しまじろうは、しまたろうとの電話の内容を話した。
「そうだったの。お母さんとはなちゃんがそんなことになるなんて・・・。」
にゃっきいが真っ先に同情した。
「でも、そんな状況になっても、頑張らなくちゃ何時ものしまじろうらしくないわよ!」
らむりんが元気付けた。すると、
「そうよね。みみりんも思い出すわ。遠足に行った時、お弁当忘れたことをしまじろう達に話していたらぞうたとぶうたに馬鹿にされたことを・・・。其の時しまじろうが、「友達なんだから、如何したのか話してよ!」って言ってくれていたわよね。」
みみりんも元気付けた。そして、
「だから、めげずに頑張ろう!一緒に叔母さんを救おう!」
とりっぴいが、羽をグーにして上に掲げた。
「しまじろう、僕とはちゃれんじ園に入園する前からの長い付き合いじゃないか!だから、何時までも落ち込んでいないで頑張ろうよ!僕が落ち込んでいた時も、しまじろうがいつも励ましてくれていたじゃん!」
きりんたも輪に入り、しまじろうを励ました。するとしまじろうは、涙を手で拭い、
「皆・・・有り難う!僕、叔母さんを救うためにも頑張る!」
少し元気付いてきたようであった。そして、
「良し!其れじゃあ皆で、叔母さんを助けに行こう!」
しまじろうは完璧に泣き止み、手をグーにして上に掲げた。すると、
「あ!一寸待ってて・・・。」
と、にゃっきいが言うと、慌てるようにセレナに戻った。しかし直ぐに戻ってきた。
「御免ね!それじゃあ行こうよ!」
にゃっきいが言った。するとしまじろうが何か気になったのか、にゃっきいに尋ねた。
「あれ?にゃっきい・・・。そのリュックは如何したの?」
にゃっきいが背負っている白いリュックを指しながら聞いた。
「あ!一寸ね・・・。」
「一寸、何?」
と、らむりんが聞くと、
「若しかして、食べ物でも持ってきたの?」
とりっぴいが目を半分閉じながら貶すような口調で言った。
「そんなわけ無いでしょ!とりっぴいじゃないんだから・・・。」
にゃっきいは苦笑いを浮かべた。
「さ、行きましょ!サンカク君!私達を案内して・・・。」
しか子はサンカクに案内を命じると、
「わ、分かりました・・・。」
怯え顔で答え、一同の先頭に立ち、カズミの元に誘導するのであった。
しまじろうも後に続こうとした時である。山中に続く道に入る手前にあった一台の青のRX-8に注目した。RX-8の所に来ると、横目で運転席を見た。すると、
(あれは?カーバー博士?)
しまじろうは運転席をこっそり覗くと、発明家のカーバーらしき人物が、運転席でシートを倒し、爆睡していた。
(どうして、カーバー博士がこんな所に・・・?)
そう思うと、しまじろうは口をへの字にしながら、目を離し、他の一行の後に続いた。

「う、ううう・・・こ、ここは・・・?」
カズミは目を覚ました。カズミの目に入ってきたのは何やら広い部屋のようであった。部屋はサーチライト並みの明るさの電気が灯っていたので、物凄く明るかった。カズミが見回すと、部屋の左右と正面には障子が張ってある引き戸があった。そして床面は畳張りであったが、古くなっていたのか、彼方此方からササクレが出ているのが分かった。どうやら、ここは廃寺ようであった。そして後ろには直ぐに板張りの壁があった。しかし彼女は、ロープで、体と手を拘束され、もがくことしか出来なかった。
「一体・・・誰がこんなことを・・・。」
と、カズミが口にした次の瞬間である。
「お目覚めかな・・・?」
真横から声がした。カズミが見ると其処には、三人の青い猫が居た。
「あ、貴方!一体どういうつもりなのよ!!早く私を放して頂戴!!」
と、三人に解放するように訴えた。しかし、三人は強張った表情を浮かべていた。
「其れじゃあ、その前に、あいつらにやらかしていたことを全部話せ!!」
怒鳴ったのはドットだった。すると、
「わ、私は知らないわ・・・!一体何のことなの!!」
カズミは無実を主張した。すると、
「嘘は止めようぜ~夫人・・・!僕達にはもうお見通しなんだよ~!」
ドットの左隣にいたからくさが言った。
「其れじゃあ、これは一体どういうことなんだい・・・?」
ペイズリーは、何枚かの写真を見せた。その写真には京都市内の有名料理店の写真であった。写真には「準備中」と店のドアに掲げられている物など、休業している店の模様を示した物であった。そして其れは何枚か撮られていたようで、其々違う日付が書かれていた。
「これが一体どういうことなのよ!私には何のことなのか・・・。」
すると、ドットが口を開いた。
「これはだな、お前があのパーティーに雇っていたお抱えシェフが働いている料理店の写真だよ!俺達が始めて京都に来た時、有名だって言うから、食事をしようとしたんだよ。そしたら、店が休みだったから、その日は諦めたんだ。しかし俺達は、どうしても其処の料理店の料理が食いたくて、その翌日も、翌々日も行ったんだよ!だが、店が開いている気配は一度も無かった。この写真は、その時に撮ったんだよ!」
すると、からくさが続けた。
「だから怪しいと思って、其処の店のブログにアクセスしたんだよ。そしたら、「今日は京都にある豪邸の夫人の所へ料理を作りに行く・・・夫人の誕生日はもう直ぐだって言うから、店は暫らく休むことにした。」という記事で更新が止まっていたのさ!しかも日付を見たら、僕達がその料理店に行く前の日付だったよ。」
更に、ペイズリーが続けると、からくさはポケットからスマホを出し、予めアクセスして置いたそのブログをカズミの前に見せた。
「其処でおいら達は更に調べてみることにした。すると、おいら達の知り合いで外国人の一人が、「ちゃれんじ島でも、何故か長期に亘って休んでいる店がある」という情報を貰ったんだよ!そして、あの料理店のブログに書かれていた記事からお前が一番怪しいと予測したんだよ!さ、早く本当のことを話せ!!」
ペイズリーもカズミに怒鳴りつけた。しかし、
「そんなのでっち上げに決まっているわ!店が何日も休んでいるから何だって言うの?其れだけで私を怪しむのはどうしてよ?!其れより私を早く解放して頂戴!さもないと、警察呼ぶわよ。」
と、体中をもがかせて、自分の携帯を探そうとした。しかし、
「悪いな夫人。お前の携帯は俺達が持っているんだ!返して欲しければ、正直に話すんだな!」
と、ドットは口元を吊り上げた。するとカズミは、
「いい加減にしなさい!貴方達!!私は何も知らないって言ってるのよ!!」
と叫んだ。するとドットがカズミの胸倉を掴んだ。そして、カズミに怒鳴りつけた。
「いい加減にするのはお前の方だろうが!!さっさと白状しやがれ!!この糞婆!!」
外にも聞こえるような声で言うと、カズミを突き飛ばした。
「ああ!!」
突き飛ばされたカズミは、壁に思い切り体を強くぶつけ、倒れこんだ。
その様子にからくさが言った。
「あんちゃん、どうする?」
ドットが言った。
「未だ話したくないようだな・・・。あの夫人、あそこまで我侭だとはな・・・。」
「それに、リチャードさんの言っていたことも怪しいしな・・・。取り合えず、暫らく放って置こうか・・・。」
ペイズリーが言うと、三人はもがき苦しんでいるカズミを見ながら、視界から離した。

その頃しまじろう達は・・・
相変わらず、凸凹の山道を進んでいた。辺りは街灯も無く、一行の持っている懐中電灯が周囲を照らし、空の真上の近くにある満月の月明かりが山々を照らしていた。一行は其の懐中電灯の明かりを頼りに歩を進めた。
大分山道を進めて言ったその時である。
「あ!あそこに吊り橋があるよ!」
と、しまじろうは懐中電灯を照らした先にある見た所、木で出来ている吊り橋を指で指した。
一行は足を止めた。そして、懐中電灯で吊り橋を照らした。
「良し!それじゃあ、行ってみましょう!」
しか子が指示を出した。そして、吊り橋に向けて歩き出すのであった。
やがて一行は、吊り橋の手前まで来た。吊り橋は、少し高い所に掛かっていて、吊り橋の下を見ると大分下のほうに川があり、せせらぎが聞こえていた。そして橋はというと、少し古ぼけた感じがしていた。と、その時である。
「あ!明かりが見えるよ!」
にゃっきいは吊り橋の先から見える明かりに指を指しながら行った。一斉に其の明かりに注目する。
しか子が懐中電灯を其の明かりに向けると、何やら廃寺のような建物が見えていた。
「若しかして、あの中に叔母さんと、犯人が・・・!」
と、らむりん。そして、
「良し!行きましょう!じゃあ、サンカク君、先に行ってね!」
と、しか子がサンカクに促した。こうして一行は、古ぼけた吊り橋に足を掛け、渡り始めた。だが、サンカク、しか子、しまじろう、みみりん、らむりん、きりんたが渡り始めた中、とりっぴいとにゃっきいは橋を渡ることを躊躇っているようであった。しかし、しまじろう達は気付いていなかった。
そんな中、にゃっきいはあることをしていた。にゃっきいは橋の手前で背負っていたリュックを下ろし、リュックからあれを取り出した。そして、にゃっきいは其れを鳩尾の辺りにつけた。そして、再び背負い、橋に足を掛けるのであった。
そして、にゃっきいが橋の真ん中まで来た其の時である。
ピー!!
何やら口笛のような音が真夜中の山中に響き渡った。既に向こう岸に辿り着き、橋から歩いて数歩の所にある岩が並んでいる所にいるしまじろう達も驚く。と、其の時である。
ヒュッ!
「わ!」
しまじろうの真上を何かが音を立てて掠め飛んだ。思わずしまじろうはその場にしゃがみ込む。其れは、吊り橋に向けて一直線に飛び、橋を吊ったロープを切断した。同時に橋が下に垂れ始める。しまじろう達は一斉に吊り橋の所へ駆け寄った。すると、
「あ!にゃっきい!!」
垂れ始めている橋の上ににゃっきいが残っているのを見つけ、声を上げた。しかし、既に遅かった。
橋は完全に垂れ下がってしまい、にゃっきいは下に落ちて行った。
「にゃっき~い!!!!!」
しまじろうは、これ以上出せない大声で、下の川に向かい叫んだ。其の叫び声は、山中に響き渡った。

にゃっきいは、只管下の川に真っ逆さまの状態であった。しかし、にゃっきいは真剣な顔をしていた。その時、其の表情のまま、先ほど鳩尾につけていたあれを押さえつけた。其の時である。背中に背負っていたリュックがある物に変化し、一瞬白く発行した。其れは虫の羽音のような音を立てていた。
すると、今まで真っ逆さまに落ちて行ったにゃっきいが、谷底を流れる川の水面に、顔がつきそうな所でターンをした。その際に、靴が水面に付き、少し飛沫を飛ばしていた。そしてにゃっきいは、まるで、正義の味方が空を飛ぶように、両手を上に挙げながら上昇を始めた。しかし、崖の天辺にいるしまじろう達は、未だに気付かない。
「先生!大変なんです!!にゃっきいが・・・」
と言いかけた其の時である。先程の何か羽音のような音が、つい今仕方吊り橋が掛かっていた崖の間からしていた。しか子に報告しようとしていたしまじろうもしか子も、そして他の一行も其の音に一斉に谷間に注目した。其の時である。
「に、にゃっきい!!」
きりんたが声を上げた。見ると、まるで水上に顔を出すダイバーのように、にゃっきいは谷底から姿を見せた。唖然としている一同だったが、にゃっきいは特に気にせず、宙返りをし、一番崖側に居たしまじろうの前に着地した。
「にゃっきいが・・・空を飛んでいた・・・。」
一番吃驚していたのはきりんたであった。きりんたは怯えながら、地面に尻をつけた。
「ねえ、にゃっきい、どうして空を飛んできたの?」
みみりんが疑問を口にすると、
「私も気になった。でも、にゃっきいは猫だからとりっぴいと違って飛べないし・・・え?若しかして本当は飛べるの?怪しい・・・。」
らむりんも疑問を口にすると、右手をVの字にし、顔の下に当てながら、目を半分瞑った。しかし、しまじろうは、
「あ、若しかして・・・!」
と、答えが分かっているようであった。するとらむりんが疑問を言った。
「若しかしてって、何か分かったの?しまじろう・・・。」
らむりんが言うと、しまじろうが続けた。
「ねえにゃっきい!後ろ振り返ってみて!」
そう言うと、にゃっきいは回れ右をした。
「あ!やっぱりそうだ!」
しまじろうはにゃっきいの背中を見ると、納得した表情を浮かべた。すると、らむりんも、にゃっきいの背中に注目した。すると、
「ねえ、あの的のようなもの何なの?」
と、らむりんは、にゃっきいの背中についている紫と白の縞模様をしていて、まるで弓道やアーチェリーの矢を射る的のような物体を指しながら、しまじろうに尋ねた。
「あ~、あれは「ブンブンパック」って言って、ガオガオさんの発明品なんだよ。僕達も前に使ったよ!あれで空を飛べるんだよ!」
と、らむりんに教えた。
「へ~、そうなんだ。所で何時使ったの?」
今度はみみりんが答える。
「あれは、皆できりが島って言う所に行った時に使ったのよ。」
すると、今まで背を向けていたにゃっきいが前に向き直し、
「そうよね。あれ使おうとしたら、落ちかけたこともあったけど・・・。」
と、にゃっきいは苦笑をした。すると、
「でも変ね・・・。ついさっきまで、にゃっきいが後ろにつけていたのはリュックサックの筈だったのに・・・。う~ん、怪しい・・・。」
らむりんは再び疑り深く疑問を浮かべた。すると、
「実はこれは、あのブンブンパックの改良版で、ここを押すと、リュックサックがブンブンパックに早変わりする物なんだよ!」
と、にゃっきいは、橋を渡る前に鳩尾につけていたウルトラマンのカラータイマーのような物を指差した。
「へ~!そうなんだ!でも、にゃっきい、其れ如何したの?」
しまじろうは、にゃっきいに再び質問した。
「あ~これはね、旅行に行く前の日に、偶々ふしぎ堂に行ったら、ガオガオさんがこれのテストをして欲しいって頼まれて、其れで貰ったのよ!まさか、こんな所で役に立つとは思わなかったわ!」
「そうだったの!みみりん、谷間からにゃっきいが飛んできた時は吃驚しちゃったわ!」
と、みみりんが言った時である。
「ねえ、貴方達!そんなことより、何か忘れていない?」
先程まで、同じように吃驚していたしか子が、其の関心を揉み消すように尋ねた。すると、
「え?う~んっと~・・・。」
そう言うとしまじろうは、さっきまで居た向こう側の崖に注目した。
「あ~!!!と、とりっぴい!!!」
其の声に、一同は一気に、向こう側の崖に注目する。そして、つい今仕方まで、橋が掛かっていた崖の前でしまじろうが両手を口の両端に当てながら叫んだ。
「とりっぴい!!大丈夫~?!!」
しまじろう達が見ると、崖の目の前で立ち尽くしているとりっぴいの姿があった。すると、直ぐにとりっぴいは返事をした。
「うん!大丈夫だよ!!でも、とりっぴいどうすればいいのか分からない・・・。」
と、途方に暮れた。すると、
「とりっぴい!!貴方は鸚鵡で飛べるでしょ!!だったらこっちに向かって飛んで来なよ!!」
次にらむりんが叫んだ。するととりっぴいは、
「あ!そうだった!!」
と、飛べることを思い出した。そう言うととりっぴいは羽を広げ、地面から足を思い切り離し、飛び立った。とりっぴいは飛びながらふと、谷底の川を見下ろすと、何時もよりも飛行高度が高いことに怯えていた。しかしとりっぴいは、直ぐに前を向き、しまじろう達の元へと羽ばたかせ続けた。そして、しまじろうの目の前で着地した。こうして、とりっぴいも無事に谷を渡ることが出来た。
「もう、とりっぴいったら、どうしてこういう時は飛べること忘れるの?」
と、しまじろうは苦笑交じりで聞いた。
「いや~・・・最近あんまり飛ばないもんだから、つい・・・。」
とりっぴいは羽を頭の後ろに当てながら苦笑していた。と、其の時、
「あ~あ・・・上手く行ったと思ったのにな・・・。本当に運がいいな・・・お前らは・・・。」
岩陰から声がした。しまじろうは、
「誰だ!!?」
岩に向かって叫ぶ。すると、声の主が現れた。

次回予告
しまじろう「やあ、皆!遂に僕達は、しか子先生の叔母さんが捕らえられている場所に辿り着いたよ!でも、犯人はどうして、叔母さんを浚ったのかな・・・?そして、助けに来た僕達に見せた表情は?メエメエ博士とカーバー博士は何故こんな所に居たのか?其の事実が遂に明かされるよ!次回、第10章 誘拐の理由(わけ)おっ楽しみに!」

後記
今回は、最寄りの駐車場に到着し、其処から監禁場所への廃寺に向かう展開が主であった。そんな中、映画「しまじろうとおおきなき」で登場した「ブンブンパック」の描写を入れてみた。これは、先月2週に渡って描かれた映画ネタ満載の話が元である。本編でゴリ押しした位なんだから、ここでも登場させようと思い、態々登場させたのである。そして、更なる懐キャラのメエメエやカーバーに関してはどのような意見を持ったであろうか?其方も気になる所である。

お知らせ
前章でもお伝えした通り、次回のうpは所用の関係で29日を予定しています。尚、この間もコメント等をお寄せ頂いても構いませんが、返信が遅くなると言うことは御了承下さい。其の次第、宜しくお願い致します。
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No title

ついにメエメエ博士登場しましたか。思えば黒猫の3兄弟とメエメエ博士にはお別れするエピソードもないまましまとらを最後に登場しなくなりましたね…らむりんの時のように彼らの別れのエピソードをしてほしかったと僕は思います。ところで次の懐かしキャラはトミーが登場する予定ですか?次回も楽しみに待ってます!

No title

大変長らくお待たせしました。メエメエの登場でしたwww

トミーは其の内登場させるつもりです。(何時になるかは定かではありませんが・・・。)是非、来週のうp以降もご期待下さい。