ちゃれんじ園 オフ  ~グルメ屋敷の恐るべき謎~ 第4章

さて、今回で愈々4週目に突入した。其れでは、早速第4章をうpしていこうと思う。

              前回までの粗筋
しか子の叔母であるカズミと言う人物から誕生日パーティーの招待状を貰ったしまじろうの担任のしか子。一行は、ちゃれんじ島から遥々、パーティーが行われる京都までやって来た。其処には、フランスに引っ越したらむりんや、ドカペ三兄弟の姿もあった。久々の再会に喜ぶしまじろう達。愈々、メインのパーティーは、翌日に迫っていた。そして、パーティー前に観光地巡りをするしまじろう達一行であった。

其れでは、第4章を始めよう。
        第4章 しまじろう達の奈良観光
ある空き家の洋館の一室に、三人の男がいた。三人は、部屋の隅に安座をしていた。
「なあ、俺達、これからどうなるんだ?」
先日、料理の温度のことで、夫人から怒られていたシェフが言った。
「夫人の奴、料理通だって言うから、満足いく料理を作ってやったって言うのに、あそこまで我儘だとは知らんかったよ!」
左隣に居た、小太りの中年男のシェフが言った。彼も又、夫人に怒られたのだろう。
「どっちみち、パーティーで俺達の料理を振舞うことは出来なさそうだな・・・。」
今度は、右隣に居た、中肉中背の男のシェフが言った。
「しかし、俺達をこんな所に閉じ込めて、一体何をしようって言うんだ?」
と、料理の温度のことで怒られていたシェフ。
3人のシェフは、夫人のレクサスLSに乗せられると、ここ、人里離れた一軒の古いが、広い洋館の空き家に連れて来られた。そして、その洋館の一室に、外から鍵を掛けられ閉じ込められていた。閉じ込められていると言っても、手足を縛られている訳ではなく、体は自由に動かせていた。そして、食事も夫人がコンビニ弁を用意してくれていた。しかし、排泄は食事の前後しか出来なかった。食事時の時のみ、夫人がこの洋館に来るようで、それ以外、夫人がいない時は、こうしてシェフ達を部屋に閉じ込めてしまうのであった。
「気がつけば、もう一週間位は経っているのか・・・。」
と、小太りのシェフ。不安が顔から滲み出ていた。
「一体、料理の何処が不満だというのだ!こんな事なら、夫人のお抱えシェフになるんじゃなかったぜ!その為だけに、店をどの位臨時休業していると思っているんだ!」
と、中肉中背のシェフが不安を募らせ叫ぶように言った。
しかし、こうしている間にも、パーティーの日は迫ってくるのであった。

翌朝、しまじろう達が宿泊しているホテルでは、
「しまじろう!お早う!皆起きているわよ!」
と、みみりんが、しまじろうを起こした。
「ふわ・・・。あ~みみりん・・・お早う。」
寝惚け眼のしまじろうが、みみりんに起こされ、欠伸も交えながら返事をした。
「もう!しまじろうが一番遅かったよ!とりっぴい達、さっきからずっと起こしていたんだよ!」
と、とりっぴいは羽を広げ、陽気な調子で言った。
「フフフ、しまじろうったら全然前と変わっていないわね。」
と、らむりんが懐かしむように、忍び笑いをしながら答えると、
「さ、皆!朝御飯に行くわよ!朝御飯はバイキングだって言うから、早く行かないと無くなっちゃうわよ!」
と、にゃっきいが言うと、しまじろうの目が完全に覚めた。
「あ~!!早く着替えて朝御飯に行かなくちゃ!!」
しまじろうが、あたふたしながら答えると、他の4人は一斉に笑った。

「皆さ~ん!お早う御座います!」
ロビーにて、しか子が、全員の前で挨拶をした。その中に、牧場夫妻も居た。
「それじゃあ、今日は、奈良という所に皆で行きたいと思います。」
しか子が述べると、
「へ~・・・奈良って何があるのかな~?」
と、しまじろうが、漲らせながら言うと、
「先生!奈良に着いたら何処へ行くんですか?」
と、らむりんが質問をした。
「そうね、先ずは京都駅へ行き、電車で奈良まで行ったら、先ずは奈良公園に行きたいと思います。」
しか子が、質問に答えると、もんたが言った。
「奈良公園と言いますと、鹿が居ることで有名なんですよね!」
と言うと、まるりんが驚いた表情をし、顔を曇らせた。
「し・・・鹿・・・!!」
その表情のまま言うと、
「あ!そうだった!まるりんは動物が苦手だったっけ・・・。」
しまじろうが、牧場に行った時のことを思い出した。
「まるりん・・・あの時、最後はしか子先生の励みもあって、最後は牛さんやお馬さんにも近寄れていたけど、やっぱり駄目なのね・・・。」
と、みみりんが同情した。すると、全員の前で話していたしか子がまるりんに近寄り、
「大丈夫よ!まるりんちゃん!ほら、先生は何に見えると思う?」
少し声のトーンを下げて、まるりんに尋ねると、
「し・・・鹿に見えます・・・。え?」
答えを口にすると、しか子が言った。
「そうよ。先生は鹿だから、普通の鹿さんともお話が出来るわ。公園に着いたら、先生が鹿さんに怖がらせないように言うから、安心して!」
しか子が、言うとまるりんは多少表情が晴れたようである。
「う・・・うん・・・。」
と、口にするとまた不安げな表情に戻った。その様子にしまじろう達も心配そうな表情でいた。
そして、しか子はまるりんから離れ、又全員の前に戻り、先程と同じ位の声のトーンで言った。
「それでは皆さん!先ずは駅に向かいますよ!」
そう言うと、しか子はホテルのエントランスの方に歩き出した。すてっぷ組のメンツもしか子の後に続いた。すると、牧場夫妻がらむりんに近寄り、
「それじゃあらむりん!お父さん達は明日の用意とかがあるから、今日は一緒には行けないけど、ちゃんとしか子先生の言うことを聞くんだよ!」
と、まっせいが言うと、
「それじゃあ、気をつけてね。」
ゆめこが続けた。
「分かっているよ!それじゃあ、お父さんとお母さん!行って来ます!」
と、らむりんが言うと、二人に手を振り、他の一同に続いた。

京都駅の奈良線ホームに着くと、みやこ路快速が停車していた。すると、けんとの電車話が始まった。
「この関西近郊には、みやこ路快速以外にも、紀州路快速とか大和路快速とか快速には色々と種類があるんだよ!そして、この車両は221系って言って、JR西日本では、結構古くからある車両なんだ!」
と、言うと、しまじろうは物凄く興味が無さそうな顔を浮かべた。しかし、とりっぴいは少し興味を持ったのか。けんとに聞いた。
「そうなんだ~・・・。所でけんと、快速って何?」
とりっぴいが聞くと、けんとが答えた。
「快速って言うのは、止まらない駅もあって、全部の駅に止まる電車よりは早く目的地に着く電車のことだよ。この電車の場合も、止まらない駅があるんだよ!」
と言うと、
「え~・・・、それじゃあ、みみりん達がこれから行く駅はどうなの?」
と、みみりんが心配交じりに聞いた。しかし、けんとは普通の表情で、
「大丈夫だよ!この電車はこれから行く奈良駅にはちゃんと止まってくれるよ!」
と、答えた。すると、興味が無さそうにして聞いていたしまじろうが、
「そうなんだ・・・。ちゃれんじ島の電車は、皆全部の駅に止まっていたけど、そういう電車もあるんだね・・・。」
と、口にすると、一行は電車に乗り始めた。
そして、電車に入るなり、一同の中では一番先に乗った、ぞうたとぶうたが首を傾げながら、
「あれ?この電車の座席、後ろ向きになっているぞ~・・・!」
と、ぞうたが言った。すると、ぞうたの隣にいたぶうたが、
「ねえ、けんと!この座席はどうやったら前になるの?」
と、続けた。すると、けんとは自分の隣にあった座席の背凭れの真上の部分を持ち、
「こうやるんだよ!」
と言うと、背凭れを縦にスライドさせた。
「ああ!前向きになった!!」
驚いたようにしまじろうが言うと、
「こういう座席のことを転換クロスシートって言って、この辺で走っている電車はこういうのが多いんだよ!他にも、JR東海やJR九州でも、こういった電車があるんだよ!」
と、けんとが言った。
「ぶう・・・、驚いた!一瞬にして、後ろ向きの椅子が前向きになるなんて・・・ね!ぞうた!」
と、ぶうたは隣のぞうたに言うと、
「凄いぞ~!けんと・・・。」
と、ぞうたも感心した様子で答えた。そう言うと、他のメンツも、つい今仕方、けんとがやっていたように座席をスライドし始めた。と、そんな中、
「あれ?上手くいかないわね・・・。」
と、さくらこが動かし方が分からず悩んでいると、
「ほら、けんとはこうやれって言っていたのよ!」
と、きっこがけんとがやっていたようにスライドさせた。一方、しまじろう達は、
「ねえ、僕達はちゃれんじ島で走っている電車のように、向かい合わせにしたいから、この座席だけ、前向きにして、そっちの座席はそのままにしておこうよ。」
と、しまじろうは左手で、これから進行方向が前になる座席を指差しながら言った。
「それ、良いわね!」
と、みみりんが言うと、しまじろうは座席をスライドし始めた。スライドをし終わると、させた側の席に、しまじろうととりっぴいが座り、していない方にはみみりんとらむりんとにゃっきいが座った。
こうして、一行は一路、奈良へと向かうのであった。途中、桃山駅に着くと、にゃっきいは、
「え?私度同じ苗字の駅だ!」
と、言い若干はしゃぐ様子が見られた。

奈良駅に到着すると、一行は東大寺へ向かった。しかし、道中でもまるりんは表情を曇らせていた。
「ねえ、まるりん!元気だしなよ!しか子先生がいるんだから怖くないわよ!」
と、きっこが心配そうな表情を浮かべながら言った。
「うん・・・でも、やっぱり・・・牧場に行った時のこと思い出しちゃって・・・。」
と、まるりん。
「平気だよ!別に鹿に近寄れって言われている訳じゃないし・・・。ね!さくらこ!!」
きっこがさっきよりは表情が戻った様子で言うと、さくらこの方に顔を向けた。
「そうよ!私もあの時、園長先生に誘われて、プレーリードッグと触れ合ったけど、私と同じ犬ってこともあるから、プレーリードッグの思っていることがすぐ分かっちゃったわ!」
と、牧場での出来事を自慢して言っていたさくらこが、急にハッとなった。
「あ、御免ね・・・関係なかったわね・・・。」
さくらこが、場違いな話をしていると気付き、顔をまるりんに向けて詫びた。しかし、まるりんは困り顔で黙ったままだった。その様子を見ながらさくらこが続けた。
「でも大丈夫よ!貴方はパンダでも、鹿の思っていることは分かると思うわ!だから、話しかけてみればいいよ!」
と、さくらこが言うと、
「さくらこ・・・。違う動物同士だと其れは無理かもよ・・・。私もあの時、プレーリードッグと話しているさくらこに、「何て言っているの?」とか、色々と聞いたじゃないの・・・。」
と、きっこが表情を曇らせた。するとまるりんは、
「有り難う・・・。私、どうなるかは分からないけど、さくらこが言っていたこと、やってみるわ!其れに、しか子先生も居ることだし・・・。」
漸く、決心がついたようにさくらこときっこの前で宣言した。すると、
「そうよ!何事もチャレンジすることが大事よ!ほら、あの時もみみりんやにゃっきいと一緒に頑張って子牛のハナコに、近寄れていたじゃないの!」
と、きっこが何時もの調子に戻って言った。
「だから、頑張るのよ!」
さくらこが、きっこの言葉に続けるように言った。まるりんは笑顔で頷いた。
「私、頑張るわ!」
まるりんは決心した。

それから数分後、一行は東大寺の入り口でもある、奈良公園に到着した。到着すると、
「それでは皆さん!先ずは東大寺の大仏さんを見てお参りをしたいと思います!そして、その後は奈良公園で鹿さんと触れ合いたいと思います!」
しか子が、予定を全員の前で述べた。そして、一行は先ずは東大寺へと向かった。
その東大寺の参拝中、たまさぶろうが歩いていると、
「あの~?たまさまですよね~?」
と、ファンに声を掛けられ、たまさぶろうが決めポーズをとると、
「きゃ~!!たまさま~!!!」
と、ファンから黄色い声が上がった。そして、ファンにサインを求められたり、握手を交わされたり、写真を撮られたりすることが多々あった。その度にたまさぶろうはてんてこ舞いながらも、ファンサービスをするのであった。
そして、東大寺の参拝が終わり、愈々奈良公園で、鹿と触れ合う時となった。しか子は予め手に入れておいた鹿煎餅を掲げながら全員の前で言った。
「皆さ~ん!これから、鹿さんと触れ合いたいと思います。そして、これはその鹿さんの餌である「鹿煎餅」と言う物です。これを一人ずつに配っていきたいと思います。」
と、しか子は全員に鹿煎餅を配り始めた。全員に配り終えると、
「結構美味しそう~!」
とりっぴいが鹿煎餅を見つめながら言った。そしてしか子は続けた。
「それでは、これから鹿さんへの餌のやり方を教えたいと思います。それじゃあ、皆さん先生の所に来て下さい!」
一斉に、しか子の所に寄った。そして、しか子は持っている鹿煎餅を後ろに隠し、数歩歩いた所にいた鹿の群れの所へ行くと、
「貴方達、一寸良いかな?」
鹿に向かって言うと、鹿は、しか子の所へ一斉に寄ってきた。そして、
「偉いわね!じゃあ早速、御飯あげるわね!」
そう言うと、後ろに隠していた鹿煎餅を鹿の口元の近くまで持ってきた。他の全員も一斉に鹿に目線を向けた。すると、鹿は鹿煎餅を頬張り始めた。
「おお!鹿が煎餅を食べているぞう!」
ぞうたが言った。同時に全員が鹿に向けている目線がより強くなる。
「ふふ・・・。貴方達今日も食べっぷりが良いわね!」
鹿煎餅を頬張っている鹿を見つめて言った。その様子に、
「うわ~!しか子先生、鹿と話している!」
と、感心するようにかんたが言った。更に、他の全員は空いた口が塞がらなかった。
すると、鹿に何かを言われたのか、
「どういたしまして!それじゃあ、貴方達!他の仲間のいる所に案内してね!でも、出来れば多めで頼むわ!」
そう言うと、その鹿の群れは、少し放れた所にいた別の鹿の群れの所へ移動し始めた。そして、しか子が続き、一行も続いた。別の群れの所に辿り着くと、
「有り難う!これは貴方の仲間なの?」
しか子が尋ねると、沈黙が訪れた。沈黙の最中、しか子は鹿に顔を合わせながら、何度も頷いていた。そして、
「へ~!そうなんだね!ここに居るのは、皆仲間なんだね!」
と、通訳した。そして、しか子は続けた。
「所で貴方達!未だ、お腹空いている?」
先程の鹿に聞くと、しか子の方に向いていた。すると、又、僅かな時間沈黙になった。そして、
「そうなの!未だお腹空いているんだね!じゃあ、今からこの子達も、御飯あげるわよ!」
そう言うと、しか子は目線を鹿から一向に向けた。そして、
「それじゃあ、皆!早速、さっき配った鹿煎餅をこの鹿さんたちにあげて下さ~い!それと、何か困ったことがあったら何時でも先生に聞いて下さいね!」
そう言うと、一行は一気に散らばった。

「良いわよね!しか子先生、鹿さんとお話が出来て・・・。みみりんも、鹿さんとお話した~い!!」
と、みみりんが、鹿煎餅を目の前の鹿に与えながら言った。
「うん、僕も鹿と話したいけど・・・。」
しまじろうが、鹿煎餅を与え終えると、先程、煎餅を与えたばかりの鹿に、
「ねえ君!お煎餅、美味しかった?」
と、尋ねた。そして、先程、しか子がやっていたように、鹿を見つめながら少し黙り込んだが、
「駄目だ・・・。何言っているのか全然分からない・・・。」
と、しまじろうは困り顔で言うと、他の4人も同じことをやり始めた。しかし、結果は同じだった。
「やっぱり、しか子先生じゃないと駄目なのね・・・。」
と、らむりんも鹿に煎餅を与えながら言った。
「じゃあ、しか子先生に、鹿の言葉を通訳して貰わない?」
にゃっきいが漲らせながら言うと、
「う~ん・・・。しか子先生、まるりんと話しているみたいだね。」
しまじろうが目を泳がせ、まるりんの方向に見ながら言った。
「え~!!とりっぴいは鳥と話せるんだから、鹿とも話したいのに・・・。」
と、とりっぴいも困り顔を浮かべていた。
「しょうがないよ!僕達はこの鹿達と触れ合おう!」
しまじろうが言うと、手に持っていた残りの鹿煎餅を鹿に与えるのであった。

そして、まるりんは、
「どう?まるりんちゃん・・・。出来そう?」
しか子が、まるりんに尋ねた。しかし、まるりんは困り顔を浮かべていた。
「じゃあ、一寸待ってね!」
しか子が言うと、直ぐ近くにいた鹿に呼び掛けた。
「ねえ、貴方達!こっちに鹿煎餅をあげるって言っている子がいるわよ!良かったら食べない?」
そして、しか子はまるりんの方向に向かって歩き出した。鹿もついて来る。その様子に、
「ひい!!」
まるりんは思わず屈み込んだ。その様子を見ながら、
「この子が、あげるって言っているのよ!でも、この子ね、貴方達のことが怖いみたい・・・。だから、あまり怖がらせないであげてね!」
しか子が言った。すると、まるりんに視線を向けた。
「さあ、まるりんちゃん!早速あげてみようよ!大丈夫!先生がついているよ!」
まるりんに言うと、怖々としながら、鹿煎餅を鹿に差し出した。すると、鹿も煎餅に口元を持ってくる。同時にまるりんの顔が引き攣った。が、口にすると、元の顔に戻った。
「どう?まるりんちゃん!鹿さん、そんなに怖くないでしょ?」
しか子がその様子を見守りながら尋ねた。
「そ・・・、そうですね。」
すると、鹿は完全に咀嚼したようで、まるりんの顔の所に口元を持ってきた。
「う、うわー!!」
まるりんは、突然の鹿の行動に思わず声を上げた。まるりんはしか子に顔を向けると、苦笑という作り笑いをした。すると、しか子が、鹿に目線を合わせて、
「あら、美味しかったのね!でも、この子、一寸怖がっているみたいだから、その位にしてあげて!」
しか子が言うと、鹿は口元をまるりんから離した。すると、しか子に寄って来た。
「ん?どうしたのかな?・・・・・え?そうなの、じゃあ私が代わりに言うわね。どういたしまして!」
その様子にまるりんは気になったようで、
「あの・・・、今何て言っていたの・・・?」
しか子に問いかけた。すると、しか子は鹿からまるりんに目線を向けた。
「鹿さんは、「有り難う!一寸怖がらせちゃたようで、御免ね!」だって!」
そう言うと、その様子を物陰から伺っていたしまじろう達が寄って来た。
「まるり~ん!!」
しまじろうは、声をあげて、まるりんに駆け寄った。
「あ、しまじろう達・・・!」
まるりんは、ハッとした顔で答えた。
「まるりん、凄いじゃないの!この間、牧場でハナコに御飯をあげていた時見たく、ちゃんとあげられたじゃないの!」
と、みみりんは感激するように答えた。
「うん!・・・これもしか子先生のお陰だよ!」
まるりんはそう答えると、しか子に顔を向けた。
「フフフ・・・、先生は鹿さんとお話が出来るから、まるりんちゃんに怖がらせないでって言っておいてあげたのよ!」
そう話すと、
「凄いですね!先生!僕もさっき鹿さんと話したんですけど、何言っているのか分かりませんでした・・・。」
すると、とりっぴいも続けた。
「とりっぴいも、鳥と話が出来るからって思って、やってみたんだけど、やっぱり駄目だった・・・。ねえ、どうしたら鹿と話せるの?」
二人はさっきの出来事を話すと、
「そうね・・・、あ!そうだ!・・・、ねえ、しまじろう君、貴方は何だと思う?」
しまじろうに顔を合わせながら聞いた。すると、多少疑問を浮かべるような顔で、
「僕は虎ですけど・・・。」
と、答えた。
「そうね。しまじろう君は虎だから、違う動物である鹿の言っていることが分からなかったのかもね。でも、先生は鹿だから、鹿さんとお話が出来るのよ。」
と、言った。すると、みみりんが尋ねた。
「じゃあ、みみりんは兎だから、兎さんと話せるってことなのかしら?」
「そうかもね!とりっぴい君が鳥と話せるって位だから、そういうことになるわね。」
しか子が答えると、しまじろうは、
「じゃあ、僕は虎と話せるってことなんだ!あ、でも、虎ってこの辺じゃあ、野生の虎はいないし・・・。」
そう言うと、しまじろうは少し落ち込んだ。その様子に、
「そう言えば、虎って動物園じゃないと見ないわね。」
みみりんが頷いた。すると、
「そうなんだよ。虎は東南アジアとか中国だと、野生の虎がいるんだけど、ここ日本には、動物園以外は虎が居ないんだよ・・・。」
と、しまじろうは多少困り顔を浮かべながら言った。
「へ~!しまじろうって虎に詳しいんだね!」
とりっぴいが感心しながら答えた。その様子を見ると、
「そりゃ~!僕は虎だからね!虎のことはそれなりに知っているさ!ほら、とりっぴいだって、鳥に詳しいじゃん!」
「あ、そうだった。」
しまじろうは若干テンションがあがったが、直ぐに落ちたようだった。すると、その様子にしか子が言った。
「そうね、じゃあ、パーティーの帰りに動物園に行く時間があったら、行ってみない?そしたら、しまじろう君も虎と話せばいいよ!」
そう言うと、しまじろうは
「やった~!」
と、笑顔で答えた。

その後、一行は、薬師寺や法隆寺といった、奈良の寺院を巡った。もんたは、時々豆知識を話すと、一同を驚かす場面を見せた。けんとは、観光地を散策中は鉄道好きということもあってか、浮かない顔をしていたが、奈良駅から法隆寺駅、法隆寺駅から京都駅の電車に乗り込むと、電車話を仲間にするなど、またテンションが上がるのであった。
こうして、一行が京都市内のホテルに戻る頃には、すっかり日は西の山に隠れ、夜が始まろうとしていたのである。
そんな中、しまじろう達はホテルのフロントの目の前にある売店にいた。
「う~ん、これははなちゃんに買っていってあげようかな!」
しまじろうは、土産物を選んでいる所だった。選んでいるしまじろうにみみりんが提案した。
「う~ん、それも良いけど、みみりんは、はなちゃんにはこれが良いんじゃないかな~って思うわ!」
と、自分の手元にあった土産物をしまじろうに見せた。
「それも良いね!あ~ん・・・!!僕迷っちゃったよ~!!」
しまじろうが、みみりんに薦められ、少しパニックになったその時、
「こら~!!!出て行け~!!!」
フロントの方から、怒号が聞こえた。しまじろう達も振り向く。目に入ったのは、ホテルの従業員と思わしき人物が、ホテル内に入った野良猫を追い掛け回していた。と、その時、同じく土産物を選んでいたにゃっきいが動いた。
「若しかして、さっきしか子先生が言っていたこと、私に出来るかも!」
そう言ったにゃっきいは土産物を商品棚に戻し、野良猫の方へと走り出した。するとにゃっきいは暴走している猫に尋ねた。
「ねえ!貴方!一寸待って!!ニャーニャニャニャニャ~」
にゃっきいが野良猫に駆け寄りながら言うと、暴走していた野良猫が急に落ち着き、足が止まった。同時に、追い掛け回していた従業員の足も止まる。従業員も、少し怒りが収まったようで、顔が普通に戻っていた。が、にゃっきいはその様子に気付かず、猫に向かってしゃがみ込みながら言った。
「ねえ、貴方!どうしたの?ニャオ、ニャニャニャ・・・。」
そう言うと、にゃっきいは黙り込んだ。しまじろう達がにゃっきいを見ると、其れは、奈良公園でのしか子の行動に類似していた。暫くの沈黙の後、にゃっきいは続けた。
「ああ、そうなんだ!でもね、ここは入っちゃいけないんだよ!だから、今度からは絶対に入っちゃ駄目だよ!!じゃあ、外に行きな!でも、この辺は車や人が多いから、くれぐれも気をつけるんだよ!ニャニャニャン、ニャ~」
そう言うと、野良猫はホテルのエントランスから外に出て行った。その様子を見ていたホテルの従業員も、しまじろう達も開いた口が塞がらなかった。すると、従業員が駆け寄った。
「いや~・・・お譲ちゃん!有り難う!中々出て行かなかったから、困っていたんだよ!」
従業員がお礼をすると、
「いえ、いいんです!私、猫ですから、猫とでしたらこのように話せますので・・・!」
と、にゃっきいは従業員に顔を向けて、笑顔を浮かべながら言った。
「そうか!じゃあ、ありがとな!」
そう言うと、従業員はにゃっきいから離れた。そして、しまじろう達が駆け寄った。
「にゃっきい!凄いよ!猫と話が出来るなんて・・・!やっぱり、しか子先生の言っていたとおりだ!」
しまじろうが、少し声を張って言うと、
「さ~すが!にゃっきい!!」
とりっぴいが感心した。すると、みみりんが、
「ねえ、にゃっきい、さっきあの猫ちゃん、何て言っていたの?」
と、聞くと、
「餌を探していたんだって!でも、中々見つからなくって、其れでここに入っちゃったんだって!でも、私が「ここは入っちゃ駄目だよ!」って言うと、「御免ね。」って言っていたわ。」
「そうなんだ!あ、其れよりさ、にゃっきいもお土産品探そうよ!私もフランスの友達にあげたい物、色々とあるしさ・・・。」
と、らむりんが誘い掛けると、
「うん、そうだね!」
そう言うと、にゃっきいは、4人と一緒に先程の売店へと戻って行った。

次回予告
パーティーの二の次でもあった観光地巡りを堪能したしまじろう達、愈々パーティー当日の日がやって来た。パーティの行われる屋敷はどんな感じなのか?そして、愈々、カズミ夫人に出会う。

と言うことで次回は、第5章 愈々、パーティー会場へ。をうp予定である。次回もご期待下さい。

後記
今回のアイディアは、今年5月に放送され、一部では話題になった「動物が動物を怖がる。」と言う摩訶不思議な展開の話と、とりっぴいが鳥類など、非擬人化生物と話せるという2つから浮かんだ。今のアニメは哺乳類でさえ、非擬人化動物が出てくるようになったので、其れ以外の哺乳類も無理やり登場させる場面もあったが、本当に今のアニメの世界がこうであるのなら、実際にこうであっても良いんじゃないかなと思った。


其れでは最後に、今日のしまじろうについてである。(注意事項は省略。あ、BS11で視ているという方は、8月3日以降であればネタバレ要素が無くなることだけはお伝えしておこう。)

今日は、今年3月に劇場化された「しまじろうとおおきなき」の登場キャラのチキ、ロキ、ババ、くもたろうが登場する話であった。実際、自分はこの映画を視ていないのだが、その映画の内容だけは微妙に把握している。この話は、はながある意味悪役だった「蜘蛛兄弟(くもたろう・くもじろう)」に拉致連れ去られると言う展開があった。その後も蜘蛛兄弟は、映画の舞台であった「きりが島」を襲撃するなど、悪事を行っていた。その為、最初にくもたろうに遭遇した時は、一同は悪者の登場と思い、一斉に引いていた。しかし、くもたろうはその後、改心し、弟・くもじろう(今回の話には未登場)と共に、造船会社を経営しているのだと言う。そして、ちゃれんじ島を満喫したチキ達は、最後は礼を言い、しまじろうが、「今度は僕達がきりが島に行くね」と誓い、チキ達はきりが島に帰って行った。
因みに、印象に残ったのは、チキ達一行は、縞野家で一泊することになり、積極的にさくらの手伝いをしたり、はなと入浴するなどの場面が良いと思った。他には、しまじろう達と再会して興奮が冷めないチキが、夜中に起きた時、ふと台所を見ると、同じように興奮が冷めていなかったしまじろうが、キッチンドリンカーをしていた冷蔵庫を漁っていたシーンである。その際に、「今日は暑いから、一緒に烏龍茶でも飲む?」と、チキを誘い、その後、二人でウッドデッキに出て、烏龍茶を飲みながら(映画の)思い出を語る所である。然し、よくキッチンドリンカーしている所を、さくらやはなに、見つからなかったな・・・。

あ、そう言えば、縞野家の一族も久々に登場していたと思う。

そのような印象を持った一方で、この話に関する自分なりの意見もある。
先ずは、ちゃれんじ園での展開である。ここで、園長が又、正直言ってくだらない親父ギャグを言っていたが(勿論、チキ達も引いていた)自分はそんなちゃれんじ園の園長が、大嫌いである。と言うのも、諸子ども向けアニメに、そんなギャグアニメ同然のキャラ(親父ギャグのセンスも正直言って、忍たまの安藤夏乃丞の方が上過ぎる。)を出して何が面白いのか?と言うのが疑問である。其れに、クレしんのふたば幼稚園の組長こと高倉文太園長の様に面白味も一切感じないキャラだと思う。そう言ったことから、自分はちゃれんじ園の園長が大嫌いである。其れに、あの展開では、しか子に登場して貰っても良かったと感じた。
其れともう一つ、本編でも映画ネタの表現があったが、映画を視ていない視聴者に考慮していたのだろうか?視ると、若干「は?」と感じる場面もあった。(そもそも本編に普通に映画キャラが出ることにも疑問があるが・・・。)しかも、ガオガオ製造の「きぼう号」の他に、前作「しまじろうとくじらのうた」で登場した「きずな号」まで出ていた。これはハッキリ言って、映画ネタをゴリ押ししているようにしか見えない。これでは、視聴者に「映画はもう視ている物」として扱っているようにしか見えなかった。

そんな訳で、映画キャラを登場させるなとは言わないが、もっとそう言った視聴者に考慮があっても良いんじゃないかと、制作のベネッセとテレビせとうちには言いたいと感じた。

さて、次回だが、何と今回は2週連続の続き物の様な感じで、又してもチキ達の登場である。しかも、今度は、今日の話とは逆の展開で、しまじろう達が、チキ達の住む「きりが島」に訪れると言う展開である。幾ら、今日の話の最後にしまじろうが、「今度は僕達がきりが島に行くね!」と言っていたとは言え仕事が早すぎる。そう思える展開だった。(しかも、2週連続で登場とか、今年の映画ネタはゴリ押ししすぎじゃないか?映画視ていない視聴者のことも考慮に入れている?)そして、次回は、今回は登場しなかったくもたろうの弟、くもじろうは登場するのであろうか?次回も視れるかは分からないが期待したい。「くもじろう」とか、何か(しまじろうもそうだが)、妖怪ウォッチのコマじろうに名前が似てないか?

因みに、今年の映画「しまじろうとおおきなき」のDVDが発売されるのは8月末である。今回(と次回)の話は、DVDの出る前後辺りでも良いんじゃないか?と思う。
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コメント

非公開コメント

次回楽しみにしています

らむりんとにゃっきい、そして黒猫の三兄弟との夢の共演と再会!この小説を読んでいる自分さえもテンションが上がってしまいました!もうこれがしまじろうの公式で良いと思います。もしよろしければ、しまじろう達がトミーやメエメエ博士たちといった懐かしキャラとの再会する場面も入れて欲しいです。それでは、次回作も期待しています。

Re:次回楽しみにしています

昔からしまじろうのファンです様

コメント有り難う御座います。第1章から通しでご覧頂いているのでしょうか?そうであったならば、お楽しみ頂き、有り難う御座います。

今回は自分も、新キャラにゃっきいに是非懐古のキャラを知って貰いたいと思い、共演した次第であります。
メエメエやトミーも良いですね。是非次作以降に生かしたいたいと思います。

其れでは、次回もご期待下さい!

No title

第1章から見てます!次回の第5章も楽しみにしてますので、頑張ってください!

しまじろう達がトミーやメエメエ博士たちとも再会する日も楽しみに待っています!

No title

有り難う御座います。

恐らく、今週末にうp予定ですので、今しばらくお待ち下さい。